SOLOTEXT

2022.10.21 Fri

BRIEFING GOLF ディレクター・吉田俊平氏が語る「BRIEFING と『ソロテックス』だ からこそ、こんなものができた」という提案をすることが次の目標

1998年の誕生以来、使い手のことを考えた機能性と、バリスティックナイロンをはじめとした高品質の素材で支持され続けているラゲッジブランド、BRIEFING。

そこで培った機能性や素材へのこだわりと、ミリタリー由来のデザインをゴルフウェアに注ぎ込むことで高い人気を誇っているのが、BRIEFING GOLFだ。

そんな同ブランドは、2020年春夏シーズン以来、様々なアイテムに「ソロテックス」を採用し続けており、この秋冬の新作には、「ソロテックス」と赤外線を熱エネルギーに変換する「ヒートエナジー」をかけ合わせた生地が使用されている。

素材に強いこだわりを持つBRIEFING GOLFが「ソロテックス」を採用し続ける理由と、今後の同ブランドが目指す方向性について、ディレクターを務める吉田俊平氏に話を聞いた。

 

バッグブランドとして人気を確立していたBRIEFINGが、ゴルフの分野に進出するきっかけは何だったのでしょうか?

2015年ごろ、BEAMS GOLFさんにお声がけ頂き、アメリカのキャディーバックで有名な会社SUN MOUNTAINに生産を依頼する形で、キャディバッグのデザインを手掛けたのが、ゴルフの分野に進出するきっかけになったかと思います。

そこからBRIEFINGとしてヘッドカバーなどの小物などもMADE IN USAで手掛けるようになり、2017年秋冬シーズンには本格的にゴルフラインとしてBRIEFING GOLFを立ち上げる事となりました。

 

バッグブランドをルーツとしているだけに、BRIEFING GOLFのキャディバッグも非常に人気です。どのようにしてデザインは進められているのでしょうか?

プロゴルファーを始めとしたプレイヤーからのフィードバックを大事にしながら、必要な機能や使い勝手を発想して、イチからデザインするようにしています。

たとえばポケットひとつとっても、使い勝手を考えながら配置して、用途に合わせてマグネットやジッパー、面ファスナーなどを使い分けたり、ドリンクホルダーには保冷アルミシートを施していたりと、細かいところまで考え抜いて作っています。

それに加えて、BRIEFINGならではのバリスティックナイロンやコーデュラナイロンなどの素材の魅力も相まって、モノ好きの方々からも支持を頂いているのではないかと思います。

 

スタンドタイプのキャディバッグであるCR-4などは、プレミア化した事もあるそうですね。

CR-4は自分でバッグを背負って回るプレイヤーのためにデザインされたものなのですが、そのアメリカ的なデザインが新鮮で、クラブの出し入れもしやすく機能的だということで、中古市場でプレミア化したこともあったようですね。

 

そして最近はゴルフウェアでも人気を博しています。ウェアをデザインする際に、特にこだわっているポイントをお教えください。

BRIEFINGとして作ってきたバッグ同様、ウェアも派手な装飾などは抑えながら、素材やディテールを突き詰めることで「機能美」を追求するようにしています。

 

BRIEFINGといえば、バリスティックナイロンを代表とした素材にもこだわっているブランドかと思うのですが、そんな中、「ソロテックス」がなぜ素材として選ばれたのでしょうか?

僕がBRIEFINGに携わる以前、アパレルの企画を行っていたときから「ソロテックス」を扱っていて、非常に良い素材として認識していたんです。

「ソロテックス」は、ストレッチ性や形態安定性などの機能はもちろんですが、生地の素材感も大きな魅力です。BRIEFING GOLFのラインナップでは、モノトーンや濃いめの色が多いのですが、「ソロテックス」なら思い通りの深みのある色を出すことができ、日光にあたっても退色しづらく、使い込んでも美しいルックスを持続する事ができます。

正直、従来のゴルフウェアに使われているチープな質感の素材には辟易していたのですが、「ソロテックス」を使うことで日本のゴルフウェアを変えていけると思ったんです。最初に「ソロテックス」で作ったアイテムは、2020年の春夏シーズンのシアサッカーストレッチパンツでしたね。

それ以降、軽量で皺になりづらいアウターや、今回ご紹介する2022年秋冬シーズンで展開中の「ソロテックス」×「 ヒートエナジー」を用いたパンツなど、毎シーズンさまざまな「ソロテックス」で機能的なアイテムを作り続けています。

 

BRIEFING GOLFといえば、コアなファンが多いことでも有名ですが、「ソロテックス」を採用したアイテムの評判はいかがですか?

「ソロテックス」はBRIEFING GOLFの顧客の方からもブランドとして認識されているため、店頭でも説明しやすく、アピールポイントとなっています。

例えばこの撥水加工が施された「ソロテックス」のウインドブルゾンは、2021年から継続して人気の商品。ストレッチが効いていて着用したままでもスイングしやすく、フードも内蔵しているのでちょっとした雨の際にも役立つ。しかも小さくたためて、キャディバッグに入れっぱなしでも皺になりにくいんです。

機能性が高いだけでなく、着心地が良くて見栄えがするので、自然と着用回数が増えて、口コミでファンを増やす結果となっていると思います。

 

それでは、この秋冬の新作である「ソロテックス」×「ヒートエナジー」を採用したパンツ&スカートをご紹介ください。

こちらは、表面はストレッチの効いた「ソロテックス」で、その内側の面に赤外線を熱に変換して蓄熱保温する素材「ヒートエナジー」を組み合わせた素材となっています。

メンズはベーシックなスリムストレート、レディースは上品なシルエットで足さばきのよいプリーツスカートのデザイン。ミリタリー由来のDカンをイメージさせるデザインや、メタルのBマークがポイントとなっています。

 

BRIEFING GOLFのアイテムは、多少のブラッシュアップは行うものの、基本となるシルエットはほとんど変えずにリリースされ続けることも多いそうですね。

それこそが、BRIEFING GOLFが目指す服作りなんです。半年ごとにテーマを変えるというアパレル業界の慣習に対するアンチテーゼとも言えるかもしれません。

最初にベースとなる形を突き詰めてデザインして、そこに機能性を考え抜いてディテールを加えたら、シーズンが変わったからといってそれを無理に変える必要はないと思うんです。

そのかわり、今回のように素材を置き換えることによって機能性を加えたり、トレンドに合わせたカラーバリエーションリリースすることで、お客様のニーズに答えることができるのではないかと考えています。

そのことが「いつもの着用感と使い勝手」という信頼に繋がって、リピーターとなってもらえたらありがたいですね。

 

バッグづくりからスタートしたBRIEFINGならではの、機能美を追求するがゆえの潔さですね。これまでもBRIEFING GOLFでは様々な「ソロテックス」を採用してきたと思うのですが、「今後はこんな『ソロテックス』を採用してみたい」というような考えなどはありますか?

これまではポリエステル系でストレッチや形態回復性に優れているというような、割とベタな「ソロテックス」の使い方をしてきたと思うのですが、今後は「ソロテックス」で天然繊維に機能性をプラスするような形での使い方もしていけたらと思っていますね。

着心地やルックスは天然繊維ならではの上質なもので、その弱点を「ソロテックス」で補っていけたらと思うんです。例えばゴルフウェアの代表格とも言えるポロシャツの生地を、BRIEFINGと帝人フロンティアさんとで共同開発してみるのも面白いかもしれません。

「BRIEFINGと『ソロテックス』だからこそ、こんなものができた」というような提案をすることが次の目標かな、と思っています。