SOLOTEXT

2020.11.04 Wed

TEIJIN FRONTIERがINVERTEREのために製作した、オーセンティックなヘリンボーンの「ソロテックス」

Tシャツの定番ブランドCAMBER、Pコートで知られるFIDELITYなどのアメリカンブランドを始め、ダッフルコートで有名なイギリスのINVERTEREやフランスのワークウェアブランドVINCENT ET MIREILLEなど、名だたる海外ブランドを取り扱いつつ、各ブランドの国内企画も手がけるアイメックス。

同社が製作するウェアにも、さまざまな機能性が込められた「ソロテックス」が使用されている。その理由と「ソロテックス」に寄せる思いについて、代表取締役であり国内外の生地に精通した根本伸広氏に伺った。

 

様々なブランドのアイテムに「ソロテックス」を採用されていますが、その存在を知ったのはいつ頃だったのでしょうか?

「ソロテックス」は3年ほど前にその存在を知って、さまざまな機能性があっていいな、と事あるごとに使わせていただいています。春夏シーズンにはリネンに「ソロテックス」をミックスさせた生地でアイテムを製作したり、薄手の「ソロテックス」でダッフルコートを製作したり。ブランドや商品に応じて適した「ソロテックス」を採用してきました。一概に「ソロテックス」と言っても、多くの機能があると同時に、天然素材との掛け合わせにより、ソロテックスの糸の持つ多くの可能性を更に高めることができるので、非常に可能性を感じる繊維ですね。この秋冬には、「ソロテックス」とウールをミックスした生地のダッフルコートもリリースします。

それがこちらのINVERTEREのダッフルコートですね。

INVERTEREは英国らしさを体現したようなブランドで、ダッフルコートが特に人気です。オリジナルは昔ながらの織機で作られたヘリンボーンなのですが、今回TEIJIN FRONTIER(以下、TEIJIN)さんと協業して、日本で「ソロテックス」とウールをミックスしたヘリンボーン生地を製作しまして。それをイギリスのINVERTEREの工場に送って、ダッフルコートに仕立てたものです。

 

見た目からはオーセンティックなヘリンボーンの生地にしか見えないですね。正直、これに「ソロテックス」が使われているとは思いませんでした。

通常のINVERTEREの生地同様、二重織になっており、表も裏も見える部分には厳選したウール原料が使用されています。その二重織の間に入る中糸部分に「ソロテックス®サーモ」を使用することで、保温性が高く、程よくストレッチが効く生地となっています。

通常の生地と違い、縫う際に伸びてしまうため、工場の方も苦労したようで……縫製が上がってくるまで時間がかかりましたが、その甲斐あって、オーセンティックなルックスはそのままに、柔らかで軽く仕上がった自信作です。今後の定番としていきたいアイテムですね。

そしてこちらは、生地だけでなく中綿にも「ソロテックス」を使用した、FIDELITYのインナーダウンやコート。

FIDELITYは海軍向けにウェアを製造していたアメリカのブランドで、Pコートで有名なのですが、近年ダウンベストもヒットしています。数年前にそのベストのフィリングを機能性繊維に変更して薄手に仕上げたところ定番人気となりまして、この秋冬で4シーズン目の展開となります。

表地に蓮の葉を模した撥水織物「レクタス」生地、中綿にしなやかな「ソロテックス」とウールの約3倍の吸湿発熱機能を持つ「サンバーナー」を組み合わせた多機能快適素材を使用しており、非常に薄いのに暖かい。ベストはもちろん、レディースのコートも軽いと評判がいいですね。形態安定性に優れた「ソロテックス」の利点を生かして、共布の収納袋もついたパッカブル仕様です。

さらにこちらは、Begin×SHIPS×THOUSAND MILEのトリプルネームの4点セットです。

人気雑誌Beginの企画で、トップス&パンツにマスクなどを付けた「新・スリーピース」を製作するというお話をいただいて進めていたのですが、ブランドらしいアイテムをと考えるうち、マスクではなく口元を覆うネックウォーマーになり、さらにナップサックまで付けることになって、いつの間にか4ピースになりました(苦笑)。

素材は使用済みペットボトルを一部原料にした「ソロテックス®エコハイブリッド」で、環境にも配慮されたアイテム。同素材で作られたカーディガン・パンツ・ネックウォーマー・ナップサックの4点セットです。

カーディガンにもパンツにもポケットが豊富に配されて収納力が高く、どちらもリラックスしたシルエット。ネックウォーマーは口もとまで覆える仕様のため、簡易的ですがマスクの代わりにもなります。

さまざまなアイテムに採用してきた「ソロテックス」に感じる可能性について、お聞かせください。

「ソロテックス」を使い始めて今回で5シーズン目になると思うのですが、ブランドやアイテムに合わせてバリエーション豊かな「ソロテックス」を採用してきました。ストレッチ性や速乾性だけでなく、後加工による撥水性や、他素材とのハイブリッドにより蓄熱機能などさまざまな機能を持たせることも可能で、さらにMIXしたり、中糸に使用したりすることでナチュラルな素材にも機能性をプラスできるため、さまざまな付加価値を加えることができる繊維だと思います。

今回INVERTEREのためにオリジナル生地を製作する際には、TEIJINさんにも苦労をお掛けしてしまいましたが、おかげさまで非常に満足のいく仕上がりになったと思います。今後も無理を言ってしまうこともあるかと思いますが、末長くお付き合いができればと、心から思っています。