SOLOTEXT

2023.03.13 Mon

NEUTRALWORKS.大坪岳人氏はなぜ、「ソロテックス」を採用し続けるのか。

今回お話を伺うのは、ゴールドウインのNEUTRALWORKS.事業部長、大坪岳人氏。THE NORTH FACEディレクターとして企画とマーケティングに18年間携わり、「ソロテックス」を使ったドーローライトパンツなど多くの商品をヒットに導いた氏は、2021年4月からNEUTRALWORKS.の事業部長として活躍している。

そして大坪氏は、NEUTRALWORKS.においても「ソロテックス」をさまざまな形で採用しているという。ブランドについて、そして「ソロテックス」を採用し続ける理由について、お話を伺った。

 

まずはじめに、NEUTRALWORKS.がブランドとなるまでの経緯をお教えください。

2016年、ジムやストレッチルームが併設されたセレクトショップとしてスタートしました。

 

当時はアウトドアウエアを日常的に使うことが定着していった時期。NEUTRALWORKS.でも、THE NORTH FACEやSpeedo、HELLY HANSEN、DANSKINなどの商品を販売していたのですが、アウトドアウエアが日常に浸透していく一方で、スポーツウエアはあくまで「スポーツするときに着る服」として日常と切り離されていると感じていたんです。

そんな中、スポーツの前後の日常も含めてシームレスに着用できたり、スポーツする際の心と体を整える事のできるウエアを作りたいと思い、2022年にブランドとしてローンチしたんです。それと同時にベーシックウエアブランドとして人気を博していたMXPをNEUTRALWORKS.に統合させました。

ブランドのコンセプトは、「ココロとカラダをニュートラルに整える」というもの。着用することによって、身体をニュートラルでいつでも動き出せる状態に整えることのできるウエアづくりを行っています。

 

着用を想定したカテゴリーとして、MOVE/SLEEP/WORK/NSKINが設定されていますが、それぞれどのような機能性に留意して開発されているのでしょうか?

MOVEでは、運動しているときも含め、どのようなときでも動きやすい軽さやストレッチ性を備えたアイテムを多く揃えています。

SLEEPでは、1日の終わりであり、1日の始まりでもある睡眠の際に、心地よい体温を維持しながら心と体の回復を助けるナイトウエアのほか、寝具なども取り扱います。

WORKでは、ストレスなく働ける動きやすさに加えて、ビジネスでも使えるきちんとしたルックスと上品な質感に留意して開発。

NSKINでは、新しい皮膚のように機能性を持ったアンダーウエア。快適な肌触りに加えて、消臭効果や速乾性、遠赤外線効果などの機能性を備えています。

動きやすさを重視しているMOVEとWORKのカテゴリでは、多くのアイテムで「ソロテックス」を採用しているんです。

 

大坪さんはTHE NORTH FACEでディレクターを務めていた時から、人気の定番商品「ドーローライトパンツ」をはじめ多くのアイテムに「ソロテックス」を採用し続けていますが、今回も採用しようと思った理由は?

個人的に「ソロテックス」使いのアイテムを着用し続けてきて、その良さを実感しているから、というのが一番の理由ですね。例えば「軽さ」という要素ひとつとってみても、「ソロテックス」は単純な重量だけでなく、しなやかで動きやすいという総合的な意味で、しっかりと軽い。

さらに単純に伸びるだけでなく、快適で肌にまとわりつかないという「ストレッチ性」や、へたりにくく機能も持続する「イージーケア」な点など、多くの長所を併せ持っています。

便利なものって、結局、離れられなくなるんですよね。自分で着用し続けて良さを実感しているからこそ、さまざまな形で採用していきたいと思っているのだと思います。

 

基本的に定番としている商品が多いのでしょうか?

まだまだ小さい規模のブランドで製品数も多くはないのですが、なるべく環境負荷を減らしたいという思いから、定番として使えてロングライフなものを作ろうと考えています。

どの商品を作る時でも、このシーズンで終わるな、ってわかってたら絶対作らないですね。長く使える製品を、素材やディテールをアップデートしながらブラッシュアップしていくという考え方です。

 

それでは、「ソロテックス」を採用している商品についてお教えください。

まずこちらが「ソロテックス 」に消臭・抗菌・防汚効果のある「エコピュア」を組み合わせたニット「ウィフ」と「コメリナ」のシリーズ。ウィフが少し厚手で、コメリナは薄手の天竺のような仕上がりです。

WHIFF/ KNITTING LONG SLEEVE CREW WHIFF/ KNITTING HOODIE

 

スポーツウエアって基本的に、布帛を裁断して縫製されたものが多いんです。

そんな中、着心地の良いニットをスポーツウエアにできないか、と思って。

ポリエステルのものならあるんですが、どうしても毛玉や引っかき傷ができてしまうし、ちょっと重くて独特の匂いがある。

素材で悩んだときに「ソロテックス」で編んでみたらどうかな、と思って。「ソロテックス」は繊維が膨らんでいるので、編んだときに軽いのにリッチな雰囲気になるんですよね。ニットなので動きやすくて気持ちいいし、編地に抜け感があるので、ジャージやスウェットのように蒸れたりしにくい。

 

さらに「エコピュア」が匂いの原因となる菌の増殖を抑えているので、例えばジムに行ったあとにカバンに入れて、翌日取り出しても嫌な匂いがしないんです。

COMMELINA/ LONG SLEEVE CREW COMMELINA/ LEGGINGS

 

リリース直後の動きは鈍かったんですが、徐々に良さが伝わっていって、今ではブランドを代表する人気商品の一つになっています。正直、NEUTRALWORKS.のスタッフも全員ヘビロテしているんです。

生地の手触りをもう少しナチュラルなものにしたり、袖口のテンションに調整を加えたり、もう少しローゲージにしてみたりと、ブラッシュアップしながらバリエーションを増やしていければと思っています。

カイヨセは、一部植物由来原料を使用した環境配慮型の「ソロテックス」を採用したシリーズです。品の良いマットな質感でストレッチ性が高く、汗をかいてもベタつきにくいので、ジャストサイズでも非常に動きやすい。

KAIYOSE/ JACKET

 

同じ素材のブルゾンやハーフパンツ、ジャケットやキャップなども用意しています。

 

さらにNEUTRALWORKS.では、ユニフォーム事業にも力を入れているのだとか。

最近だと、ユニセックスな化粧品などで人気のスキンケア&ライフスタイルブランド、athletiaの美容部員さんのユニフォームを「ソロテックス」を使ったカイヨセの生地で制作しました。

また、日本ハムファイターズさんが2023年3月にオープンさせる、北海道ボールパークFビレッジのスタッフユニフォームも、「ソロテックス」と「エコピュア」を組み合わせたカットソー生地を採用しています。

さらに、帝人フロンティアの「エコペット」を使った生地でユニフォームを作りたいという、環境に配慮した企業や団体からの依頼もありますね。

白馬インターナショナルスクールでは、制服を生徒が購入するのではなく、学校側が貸すという形を取ることで校内でリユースしていき、最終的に使えなくなったらまた資源に戻すという試みをスタートさせました。

 

今後はどのような形で「ソロテックス」を使っていこうとお考えでしょうか。

「ウィフ」や「コメリナ」のように「ソロテックス」で編んだニットには、大きな可能性を感じますね。これまでジャージで作っていたセットアップや、スウェットで作っていたクルーネックなどの素材も置き換えることもできるかな、と考えています。

さらに、これまでポリウレタンで作っていたタイツなども「ソロテックス」で作ってみたり、ソックスやスウェットのリブ部分などに部分使いしたりするのもいいですよね。見えないところに機能性を加えることのできる「ソロテックス」には、これからも期待しています。