安西 こずえ

Kozue Anzai

Special Interview
2026.04.03 Fri

02. “ちょうどいい”を探しているんです。スタイリングもそうだし、服作りもそう

ディレクターを務める COZ の服作りは、どんなことを意識していますか。

 

基本は「自分が着たいもの」からしか作りません。大きなコンセプトを掲げて始めるというより、スタイリストとして日々現場にいて、「これ、今ほんとに欲しいんだよね」と思ったことが、服作りをスタートさせるきっかけです。着た瞬間にテンションが上がる。だけど、頑張りすぎなくても着られる。そういう服。その“ちょうどいい”ところを探すのが、私は好きなんです。だから COZ って、私のスタイリングの延長なんですよね。コーディネートって、結局、気分と実用のバランスじゃないですか。ちょっと気分が上がる。でも無理してない。そういう服があると、毎日って回るんですよ。で、その“毎日がちゃんと回る”を支えるのって、最後はやっぱり素材なんですよね。着心地はもちろん、動いた時にどう見えるか、洗った後にどう戻るか。そういうところはすごく大事。現場って着替えも多いし、長時間着たまま動くから、服がちゃんと持つことって本当に重要なんですよね。だから「ソロテックス」みたいに、機能性が前に出すぎないのに、着るとちゃんとラク、みたいな素材は頼りになるなって思います。

最近、服作りの視点に変化はありましたか。

 

あります、かなり。最初の頃は、どうしても「自分が似合う」「自分が好き」が基準になりやすいんですよね。でもありがたいことに、手に取ってくださる方の層が広がってきて、小柄な方もいれば、年齢を重ねて体型が変化してきた方もいる。そうなると、「(高身長の)こずさんだから着られるよね」にはしたくないってすごく思うようになって。女性って、体型も気分も揺れるんですよ、ほんとに。だから、その日の自分を否定しない服が必要だなって思っていて。いわゆる補正ではなく、着た時に自然に整う感じ。そこが大事。少しふくよかでも、それがちゃんと素敵に見えるバランスってあるじゃないですか。美味しいもの食べてる人の感じ、みたいな(笑)。そういうリアルな寄り添い方を、以前より意識しています。そういう意味でも、「ソロテックス」のキックバック性(伸びても戻る)ってすごく良くて。人って動くし、姿勢も変わるし、着てるうちにどんどん服の見え方が変わるじゃないですか。そういう時に、伸びっぱなしにならずに形が戻る形態回復性のある素材だと、シルエットが崩れにくい。「ソロテックス」の機能性は、そういう“日常の揺れ”を上手に受け止めてくれるので、結果的に「誰が着ても成立しやすい」に近づくと思っています。

COZ はカシミヤを軸にしていますが、そこに「ソロテックス」を混ぜた理由は?

 

理由はシンプルで「気持ちいいから」です。私は素材でテンションが決まるタイプなので、触った瞬間に“これだ”ってなるものじゃないと作りたくないんです。それと、カシミヤって贅沢なだけじゃなくて、ちゃんと日常で使えるんです。素材によっては自宅で洗えるし、形も崩れにくいし、毛玉にもなりにくい。インナーにもなるし。日常着としてのラグジュアリーって、結局そういうことだと思うんですよね。ブランドでは定番になった半袖ニットも、最初は「半袖ニットっていつ着るの?」って言われました。でも、ジャケットの下に入れたり、移動の多い日に着たり、働き方やライフスタイルの変化に合わせて用途がどんどん増えているんですよ。今では色違いで買ってくださる方もたくさんいるようです。そういうふうに、生活に根づく服が理想です。ただ、春夏は特に「気持ちよさ」と「形状維持」の両立が難しいんですよね。肌触りがいいものほど、体温や湿度、動きの影響を受けやすいので。

そこで、「ソロテックス」のような機能性のある素材を“足し算”としてではなく、“整えるための裏側の仕込み”として使うと、日常着としての完成度が上がるなって感じています。

「着心地」にはどう作用しますか。

 

伸縮性が出ることによって動いた時についてきてくれる感じがあります。スタイリングの現場って、座ったり立ったり、腕を上げたり移動したり、すごく動くので、その時に服がちゃんとついてきてくれる感じがあると、気持ちまでラクなんですよ。あと、地味に重要なのが、伸びた生地が“戻る”こと。着心地が良くても、見た目が崩れたら結局着なくなるじゃないですか。「ソロテックス」は、日常の動きの中で、「着ている間に整う」方向に働いてくれるので、結果として着用する機会が増えると思います。

 

 

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安西 こずえKozue Anzai
スタイリスト。1971年生まれ。メンズスタイリスト近藤勝に師事し、2000年に独立。メンズのスタイリングからキャリアをスタートし、現在は女性誌・広告を中心に幅広く活躍。ニットブランド COZ made by WRAPINKNOT、リゾートウェアブランド mikomori などのディレクションも行う。