高島 涼

Ryo Takashima

Special Interview
2023.03.30 Thu

02. 日本の美意識や技術の高さをもっと世界に発信しなくてはいけないと思った

 

販売員としてのキャリアをスタートさせてから3年後、いよいよファッションデザイナーとしてのキャリアをスタートさせます。売る方から作る方へと移行したのは、何かきっかけがあったのでしょうか?

 

建築を学んでいる時から物づくりには興味があったんです。それはファッションにおいても同じ。洋服が好きで着ていくうちに、それがどうやって作られているかということに興味が湧いてきました。それで、販売員をしながら少しずつ勉強をしていたんです。

ご自身の名前を冠したブランドRYO TAKASHIMAを立ち上げるわけですが、そのコンセプトはどういったものだったのでしょうか?

 

一般的なファッションブランドはシーズン毎にテーマを設けてコレクションを展開しますが、RYO TAKASHIMAはちょっと違います。どちらかというと一球入魂。1つのプロダクトにフォーカスしてしっかり作り込んで提案するスタイルです。もしかしたらブランドというよりプロジェクトと言った方が近いかもしれません。RYO TAKASHIMAをメインに着て欲しいというよりも、スタイリングの味付けとして活用してほしい。自分が好きなブランドの服を上手に着こなすために活用して欲しいという気持ちを込めて作っていました。

 

 

自分の世界観を強く押し出すのではなく、あくまで個人個人のコーディネートを完成させるための服。スタイリングの可能性を追い求める高島さんらしいブランドだと思います。

 

また洋服を作る側になって気づいたのが、日本の物づくりのレベルの高さ。日本の職人文化はやはりすごくて、生地も縫製も本当にレベルが高い。これはもっと世界に伝えていかなければと思いました。それはSNSを通じて僕ができることの一つでもあると思っています。

消費者、販売員、インフルエンサー、そしてデザイナー。そのルートを辿ってきた高島さんだからこそ見える景色なのかもしれません。

 

特に服を作る上で「生地」はとても重要だということを痛感しています。

 

 

具体的にはどういったことでしょうか?

 

僕の作る服はシンプルなデザインのものが多いんです。となると、その印象を決めるのはほぼ生地。生地の硬さや柔さかさによってシルエットは大きく変わりますし、機能性の高い生地を選ぶことでその価値も変化する。何をどう選ぶかで洋服の完成度が大きく違います。当たり前のことですが、作り手になることで改めてその重要性を実感していますね。

 

 

「ソロテックス」という生地については、高島さんはご存じでしたでしょうか?

 

はい。実は今RYO TAKASHIMAというブランドは区切りをつけて、CLESSTE(クレスト)というブランドを展開しているのですが、そこで「ソロテックス」を使ったセットアップを開発中です。僕は海外に出張に行くことも多いのですが、そのために必要なのが機内を快適に過ごすためのセットアップ。たくさんの生地を見て検証したのですが、形状記憶性や伸縮性、キックバックの良さ、さらにはイージーケア性など、いろんな視点からみて最適なのが「ソロテックス」でした。

機内で過ごすための服に限らず、服を作る上で最近考えるのは『快適性』。着心地を犠牲にしてファッションを楽しむというより、どちらも兼ね備えた服をどう実現させるかということは本当によく考えます。その観点においては、「ソロテックス」はとても優秀な物だと感じます。先ほど日本の職人文化という話がありましたが、「ソロテックス」も日本の優れた技術を反映させたもの。もっと世界に発信していくべきもののひとつだと思います。

 

 

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高島 涼Ryo Takashima
1992年、静岡県生まれ。高校の頃から建築を学び、卒業後はハウスメーカーで建築士として活動。その後、アパレル業界に転身。販売員としてアパレル会社に勤務したあと、2018年に独立。現在は株式会社CREST ISLAND代表取締役として、セレクトショップ「PLUS81」の運営と、自身のブランド「CLESSTE」のディレクションを手がける。SNSの合計フォロワー数は30万人を越え、同世代への影響力は絶大。