SOLOTEXT

2024.09.16 Mon

上品なルックスでイージーケア。UN-USELESS の【10 年着られるタフなニット】「SWKNIT」 と「ソロテックス」の関係。

2022 年にローンチした新しいブランドでありながら、上質な素材感とタイムレスなルックスの「10 年着てもヘタれない洗えるタフなニット」が評判を呼んでいるブランド、UN-USELESS。

同ブランドが開発した「SWKNIT=スニット」は、スウェットのような見た目でありながらニットの上品さも併せ持ち、さらに「ソロテックス」が内側を支えることで、シワになりにくく、首もとや袖口などもほとんどくたびれることがないという。

その開発秘話について、UN-USELESS ディレクターの堀口竜平氏に話を聞いた。

 

UN-USELESS のブランドのコンセプトや成り立ちをお教えください。

UN-USELESS の母体となっているのが、1861 年創業の堀田丸正株式会社。着物問屋として創業
し、これまで着物に加えて、意匠撚糸やレディスアパレル、寝装品などの製造販売を行っていました。

2022年春 コロナ渦より経済活動の本格的な再開を探りはじめた頃、社長の一声で「どこにもないようなニットを作る」という 新しいプロジェクトが立ち上がりまして。

当初から「奇抜なデザインではなく、ニットのクオリティで勝負する」という方向性で、さまざまなチームで企画を考えたのですが、単純に上質なニットというものは既に多くのファクトリーブランドが手がけており、コンセプトが決まるまでなかなか時間がかかりましたね。

そんな中「ニットでスウェットのようなルックスのアイテムを作ったら面白い」という方向性が決まって。「タフでありながらケアも簡単で、スウェットのように気軽に着ることができるニット」というコンセプトで、試行錯誤しながら試作を重ねて、2022 年の11 月ごろにローンチさせていただきました。

 

UN-USELESS は「10 年着てもへたれない洗えるタフなニット」を謳っていますが、こちらの100 回洗ったサンプルは、パッと見では新品かと思うような状態ですね。

(左下)100 回洗っても、首もとや生地にくたびれは感じられない (右上)新品の状態

目が詰まってほんの少し白くなっていますが、よく見てもほとんどわからないぐらいの感じですよね。白くなっているのは、蛍光剤入りの洗剤を使っている影響かと思います。10 パーセント程度の「ソロテックス」が生地の内側から支えているので、サイズもほとんど変わらず、くたびれた感じもほとんどないのではと思います。
家庭でも簡単に洗うことが可能ですが、洗濯ネットの使用を推奨しており、ブランドオリジナルのランドリーネットが付属しています。

 

写真で見た際にはスウェットにしか見えなかったのですが、手に取ると確かにニットですね。非常に上品でスムースな素材感です。

ニットの新たなカテゴリーを作りたいという思いがあり、スウェットのようなニット「SWKNIT=スニット」という名前で商標も取らせていただきました。肉厚でありながら粗野な雰囲気がなく、高級感があって非常にいい生地となっていると思います。

もしダメージが生じた場合は、メーカーとしてリペアサービスも行っており、エイジングを楽しみながらご愛用いただけたらと思います。

 

「ソロテックス」はもともとご存じだったのでしょうか?

10 年以上着られるタフなものを作ろうということで、素材を選定していく中で、型崩れを防ぎ、伸縮性のある機能繊維を使いたいと思ったんです。通常ではポリウレタンを使うことも多いと思うのですが、ポリウレタンは経年劣化してしまうため「10年着られる」というコンセプトに反してしまう。

社内で情報を募ったところ、撚糸を扱っている部門から「『ソロテックス』がいいんじゃないか」という推薦がありまして。その部門では、「ソロテックス」を芯に使った撚糸の生産を行っていたんです。

絶妙なテンションで伸びすぎず、ほとんど経年劣化しないということも決め手となって、「ソロテックス」を採用させていただきました。

表層には毛羽の少ない30 番のコーマ綿を、裏層には肌触りの良い無撚糸のコットンを用いて、裏毛のような編み方をしています。加えて表と裏を「ソロテックス」で繋ぐことにより、目が詰まり、皺や型崩れを防いでいます。

テスト編みの段階では、裏の糸が表に出てしまったりして、調整が難しかったですね。

スレッド編みやプレーティングなどいろんなノウハウを用いることで、この「SWKNIT」を完成させることができました。
通常のセーターの4 倍近くの編み時間がかかり、工場によっては編むことができないことも多いんです。現在は3 台程度の編み機で生産を行っています。

 

襟元や袖口なども、非常に上品な仕上がり。

パーツごとに糸や編みを細かく設定できるニットの特性を活かし、伸びやすいリブ部分にはプレーティングで「ソロテックス」を身頃の倍の分量入れています。そのため伸びる心配はありません。編み柄やラインを施すことで、ニットらしい雰囲気を出しつつ、さりげないアクセントとなっています。

 

「SWKNIT」としてさまざまなアイテムを展開していますが、すべてベーシックな型ですね。

現在はプルオーバー・モックネック・パーカー・カーディガン・パンツ・ウォッチキャップなどでの展開となっています。
いわゆるファッションブランドとは違い、毎シーズン新作を出すというよりは、定番として作りながら、時代に合わせて少しずつ形や色を変えたり、シーズンによっては数型プラスしたり、という展開を行なっています。

 

メンズ/レディースの区別なく、ジェンダーレスに着ることもできるとのこと。

基本のサイズ展開はS・M・L・XL となっています。S だと小柄な女性でジャストサイズぐらいですが、XL サイズを着ている女性スタッフもいますね。生地が肉厚でしっかりしているので、オーバーサイズでもいい雰囲気にコーディネートできると思います。
メンズレディース問わず、いろんなショップで取り扱いをいただいており、男性6 対女性4 の比率でご愛用いただいているようです。一度ご購入された方がリピーターとなったり、パートナーの方とシェアして着て頂いたりと、嬉しい限りです。

 

今後の「SWKNIT」の展開についてお教えください。

今後もベーシックでありながら上質な「SWKNIT」をブラッシュアップし作り続けると共に、ブランドとのコラボレーションにてインラインにはない、デザイン性の 強い商品も展開していければと考えています。

JACKSON MATISSEとのコラボでプリントを施した「SWKNIT 」を10 月に発売する予定で、オンライン分は予約完売と、非常に好評をいただいております。
(各ブランドの取扱店様にて10月中頃発売予定)

さらにまだ試作段階ではあるのですが、表面にコーデュラナイロンを30%ミックスして、内側に「ソロテックス」を施した、摩耗に強い「SWKNIT」の開発も進めております。1 万回の摩耗テストを行なっても擦り切れなかったほどの強さがあるため、スケボーなどエクストリームスポーツ系のブランドとコラボレーションを行うのもいいのでは、と考えています。

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