南 貴之

Takayuki Minami

Special Interview
2025.03.28 Fri

03. 究極の化繊素材ができることに期待しています

 

「ソロテックス」は他のアイテムにも使われていますね。

 

この春夏には、「ソロテックス」とリネンをブレンドした素材で作ったニットがGraphpaperからリリースされます。これは、化繊とリネンという対照的な性質を組み合わせたらどうなるんだろうというところから始まったもの。これもすごくいいですよ。「ソロテックス」以外の化繊素材でこれをやると、生地がもっとだれてしまうと思うんですが、しっかりしている。ハンギングしても伸びにくいんです。

あとリネン素材の服ってどうしてもほっこりしがちなんですが、「ソロテックス」が混ざることでシャープさが加わっているのもいい。リネンの性質だけ残しながら、見た目はモダンに落とし込むということに成功していると思います。

 

FreshServiceのアイテムではいかがですか?

 

FreshServiceだと定番のカノコ素材のポロシャツで「ソロテックス」を使っています。これに関しては、“とにかくすぐ乾くこと”が最大のミッション。冒頭でも言った通り、FreshServiceは道具としての服であることが重要なので。

 

 

たしかに「ソロテックス」は速乾性に優れています。

 

加えて大事なのが『綿見え』することです。これも先ほど言いましたが、化繊素材特有の光沢感が僕はどうしても嫌いなので…。もちろんアイテムのコンセプトによってわざと使う時もあるんですが、これに関しては絶対にさけたかった。

かねてから “テカらない化繊100%の鹿子”はさまざまなメーカーに相談していました。かなりの量のサンプルを見ましたが正直どれもダメ。結局「ソロテックス」一択でしたね。

 

 

相当数の素材をみてきた南さんにしても、「ソロテックス」の優位性は高いですか。

 

素材に関してはかなりの量を見てきた自負がありますが、そう感じます。僕はどちらかというと直感的に素材に魅力を感じて、その後で理屈を知るタイプ。事前に知識がない状態で「いい」と感じたものを採用するという意味でお客様に近い目線だと思うので、信じてもらっていいと思います(笑)。

 

 

国内外問わず、網羅的に素材を見てきたみなみさんにとって、「ソロテックス」に限らず、日本の素材開発はどう捉えていらっしゃいますか?

 

生地作りに関しては日本がやっぱり一番だと僕は感じています。ツイードやベンタイルなどの伝統的な素材に関しては別ですが、特にテクニカルな生地に関してはクオリティが高いと思います。

 

 

帝人フロンティアに期待することはありますか?

 

反射率0%の化繊素材をぜひ完成させて欲しいですね。超マットフィラメント。もう誰が見てもコットンにしか見えない化繊素材が完成したら、それはとんでもないことだと思います。

天然素材を人工で作る、という領域に近いですね。

 

それが化繊素材の究極なんだと思うんです。化繊なのにほぼウール。化繊なのにほぼリネンみたいな。これはおそらく永遠の戦いじゃないでしょうか。

それともうひとつ。水に濡れても変色しない生地。つまり絶対汗染みしない生地ですね。だってみんな本当は、早く乾くことより汗をかいても見た目が損なわれないことを求めているはずですから。これは未だかつてどこも完成させたことのない生地だと思います。これができたら、世紀の発明になるんじゃないでしょうか。

 

 

最後に今後の展望などがあれば教えていただけますか。

 

現在、Graphpaperの海外展開を進めています。まずはオランダに拠点をおいて、EU圏で展開する予定です。6月にはパリでのポップアップも控えています。

 

 

海外限定的な商品の展開もあるのでしょうか?

 

欧米の方々は日本人より手足が長いのでフィットは変更する予定です。それは日本でも展開するようにしたいと思っています。

 

 

南さんが選定した素材の魅力が、海外にどう伝わるのか楽しみです。ありがとうございました。

南 貴之Takayuki Minami
1976年千葉県生まれ。バイヤーやショップディレクターを歴任したのち、2012年に株式会社alphaを設立。自社ブランドであるGraphpaper、FreshServiceのディレクターを務めるほか、ショップの空間デザインやリブランディングのディレクションを兼務。Vektor shop®や寄などショップ連動のレーベルなど幅広く手掛けている。