祐真 朋樹

Tomoki Sukezane

Special Interview
2019.05.13 Mon

04. STAIR × ソロテックス®

 

 

「柔軟に料理してくれるのでは」。そんな祐真さんの期待通り、これまでにない新しい発想でSOLOTEX®をプロダクトへと落とし込んだSTAIR。どんなアプローチで、どんなプロセスを経て、それは生み出されたのか。「今まで経験したことのない素材だった」と語るデザイナーの武笠綾子さんにお話を伺いました。

 

 

今回は全部で何型、デザインされたのでしょうか?

 

3wayで着られるアウターと、ポンチョ、それにシャツが3タイプで、全部で5型ですね。

 

率直な感想を聞かせていただけますか?

 

STAIRでは、例えば尾州の織物を使うなどデザイン性を重視した生地開発はこれまでも積極的に展開してきたのですが、いわゆる機能素材ありきで服をデザインしたのは初めて。それに、私個人としては、SOLOTEX®はメンズのイメージが強かったので、どうやったらうちらしく落とし込めるか最初は少し悩みました。でも、色々と試行錯誤をしているうちにイメージが膨らんで…。

 

STAIRらしさというのはどういったところでしょうか?

 

パターンにこだわって、しっかりとシルエットを作り込む。そこに一番こだわりました。今回オリジナルで作らせていただいたSOLOTEX®の生地は適度なハリ感があるためシルエットが強調される。その特徴を生かしながら袖や見頃にボリューム感を持たせるなどしてデザインに落とし込みました。マニッシュになりすぎないよう、あくまで美しく。そのシルエットバランスにはこだわりましたね。

 

デザインを進めていく上で、素材のメリットは感じられましたか?

 

体が入ってもシワにならなず美しいまま着られるっていうのは女性にとって嬉しいポイントだと思います。特にシルエットでデザインを作り込んでいく服にとって、それは大きなメリットです。

 

最後に、今回の取り組みは武笠さんのクリエイションに何か影響を及ぼしましたでしょうか?

 

使ったことがない素材を料理するのは楽しくて、未経験の分野に触れて物作りができたことで今後の展望は広がった実感はあります。また、既存のコレクションにこの生地のプロダクトが加わることでお互いが引き立つ存在になれたのでは、とも。こうやってルックを見てみても、実際スタイリングにも幅が生まれていますし。素材目線のクリエイションに、新しい可能性を感じる取り組みになりました。

 

 

 


立体的なパターンで構築したプルオーバーシャツ。ワンピースとしても着られる。

 

 

スキッパータイプのシャツにインラインで展開するニットアイテムをコーディネート。硬質なSOLOTEX®の生地と柔らかなニットのコントラストが美しい。

 

 

ショート丈のフードアウターとノースリーブのロングベストを組み合わせた、3wayで着られるアウター。フードアウターにSOLOTEX®を使用。

 

 

上半身はドロップショルダーのビッグシルエットで、下半身はプリーツとショート丈のアシンメトリーデザイン。ネイビーとホワイトの色違いをレイヤードした着こなしがモード。

 

 

 

〔STAIR〕

現代女性にほどよい遊びと頑張りすぎない女性らしさを。 今の気分を遊ぶ、をテーマとしテクスチャーと意外性の融合を楽しむ。 オリジナルマスキュリン、モダンフェミニティをベースにそれぞれの価値、 高揚感を感じるためのリアルクローズを展開。 その気分に、その年齢に、そのモチベーションにフィットし続けていける物を。

http://stair.tokyo/

祐真 朋樹Tomoki Sukezane
雑誌「POPEYE」でファッションエディターとしてのキャリアをスタート。その後スタイリスト、ファッションディレクターとして活躍。日本のファッションシーンを最前線で牽引してきた。パリとミラノのコレクション観覧歴は25年以上。自他ともに認める、モード・ファッションの伝道者。