1982年、ベストづくりからスタートし、フィールドで役立つ機能性を追求し続けてきた日本生まれのアウトドアブランドFoxfire。
ネペンテスを母体に札幌の地で2003年に誕生し、フィッシングウェアに高いファッション性を吹き込みつつ独自の存在感を放ってきたSOUTH2 WEST8。
釣りファンのみならず、ファッション関係者からも高い評価を集める両ブランドがこの春リリースしたのが、防虫生地「スコーロン」と「ソロテックス」を掛け合わせた生地を採用したセットアップだ。
その誕生秘話に加え、Foxfireが長年培ってきたものづくりや素材選びへのこだわり、さらに今後期待する「ソロテックス」の可能性について、ティムコの田上公友氏に話を聞いた。
田上:Foxfireの母体であるティムコでは、当初OrvisやFenwickをはじめとするアメリカブランドのフィッシング用品の輸入・販売を行っていました。しかし、釣り竿などのスペックが日本のフィールドに合わないという課題があったことから、国内向けにモデルを開発するようになったのです。
その後1982年、自分たちの理想とするフィッシングウェアとして4型のベストを製作したことをきっかけに、Foxfireがスタートしました。それ以降、フィッシングウェアだけでなく、釣竿やルアー、バッグなど釣りに関する製品全般を開発するようになり、現在に至っています。

田上:アウトドアで使用される製品を作っているため、まずはフィールドでしっかり使えるかどうかが重要になります。そのため、多くのアイテムで実際にフィールドテストを行っています。特にウェーダー(胴付きの防水長靴)やシューズなど、防水性が重視されるアイテムは、実地で試すことが欠かせません。
私自身がパタンナーも務めているため、着心地や動きやすさについても重視しています。実際に1日着て過ごしながら、細かな改良を加えることも多くありますね。
田上:「ソロテックス」は、5〜6年前から使い始めて、現在も継続的に採用しています。ストレッチ性はもちろんですが、仕立て映えするという点も大きな魅力ですね。ポリウレタンを使用していないため耐久性が高く、膝抜けしにくい点なども、非常に良いと感じています。

田上:「スコーロン」は、アース製薬と帝人フロンティアが共同開発した、「着る防虫」とも言える生地です。アース製薬が開発した防虫剤を、接着技術によって繊維に固定しているため、不快な虫から身を守ることができます。さらに洗濯耐久性も高く、長期間にわたって機能性を体感していただける素材です。
Foxfireでは2008年から採用しています。釣りは大自然の中で、長時間あまり動かずに行うアクティビティでもあるため、虫が寄ってきやすいんです。そういった背景から、フィッシングウェアとの相性も非常によく、「スコーロン」が開発された当初からFoxfireのアイテムに採用してきたと聞いています。

防虫機能に加えてUVカット機能も備えており、私自身その効果を実感しているため、アウトドアでは手放せないアイテムとなっています。
田上:2024年春、SOUTH2 WEST8が『A TROUT IN THE MILK/ミルクの中のイワナ』という釣りをテーマにした映画とコラボレーションし、札幌の店舗で上映会を行っていたんです。そこにFoxfireのスタッフが伺ったことが交流のきっかけとなり、今回のコラボレーションにつながりました。お互いに親和性の高いブランドとして認識していたこともあり、話は非常にスムーズに進みましたね。
田上:ライン入りのトラックジャケットとパンツになります。SOUTH2 WEST8定番のライン入りセットアップを、Foxfireで定番として採用していた素材である「スコーロン」に「ソロテックス」を加えた生地で製作しました。
この生地は防虫・UVカット機能に加え、撥水性能も備えており、さらに「ソロテックス」ならではの快適なストレッチ性も兼ね備えています。ファッション性と機能性を高いレベルで両立したウェアに仕上がったのではと思います。
さらに、肌に触れる面にはメッシュを施しているため、「ソロテックス」のストレッチ性と相まって、動きやすく快適に着用することが可能。シンプルなルックスだからこそ、ライン使いやブランドアイコンも際立っています。フィッシングをはじめとしたアウトドアフィールドはもちろん、タウンユースでもおしゃれに着こなしていただけると思います。

田上:「ソロテックス」はストレッチ性が高いだけでなく、質感が良く、仕立て映えするところも魅力だと思っています。その良さを活かしながら、防水性能を高めながら、よりファッション性の高いアイテムなどにも使えたら面白いですよね。
技術的には難しいかもしれませんが、「ソロテックス」と高機能な防水素材を組み合わせたり、撥水加工や防水テープなどを施すことで、2.5層の防水生地のようなものができたら理想的です。そうすることで、防水性を持ちながら軽くて動きやすいソフトシェルやウェーダーなども作れるのではないかと思っています。
今後も、帝人フロンティアさんの技術力によって、さまざまな機能性を備えた「ソロテックス」が生まれることを期待しています。
