SOLOTEXT
New Balanceが、「ソロテックス」でパンツ5型×ジャケット5型を展開させる意味とは。
New Balance Japanがスタートさせた、“ New Balanceのシューズを最も美しく見せるパンツ”をコンセプトに掲げるコレクション、WAIST TO TOEが注目を集めている。
同ブランドでは、リリースされるたびに完売するほどに好評を博しているパンツ5型に加え、この秋冬からは同素材でジャケット5型も展開をスタート。さらに自由にコーディネートを楽しめるようになるという。そしてそこには、TEIJIN FRONTIERの「ソロテックス」が採用されていた。
同ブランドのアパレルを統括する、大角シニアマネージャーに、無謀とも思えるパンツ５型×ジャケット５型を展開させる意図について、そして「ソロテックス」の持つ可能性について、話を聞いた。
New Balanceが、パンツにフォーカスしたコレクション「WAIST TO TOE」をスタートさせたと聞いた時には驚きでした。このコレクションが誕生した経緯についてお教えください。
これまでも日本ライセンスのアイテムとしてNew Balanceのアパレルは存在していたのですが、2016年にNew Balance Japanとしてアパレルを本格的にスタートさせて以降、このブランドらしいアパレルとは何かということを模索していました。
さまざまな案を考えた結果、やはりNew Balanceの核であるシューズに近い部分からスタートすべきだとの考えに至り、まずはボトムスにフォーカスしようと。そこから「New Balanceのシューズを最も美しく見せるパンツ」というコンセプトと、「腰からつま先まで＝ WAIST TO TOE」というコレクションネームが生まれました。
シルエットは、ストレート／スキニー／スリムテーパード／ワイドテーパード／ワイドの５型を定番的に展開していますが、その理由は？
具体的なアイテム開発の際に念頭に置いたのが、New Balanceの中でも特に人気のモデル、996のようにバリエーションを持たせることにより、老若男女すべてに愛されるアイテムにしたい、ということでした。そのような思いから、幅広い層にマッチする5型のボトムスに絞って展開しようと。
サンプルを開発メンバーで履きながら意見を出し合って、シルエットやレングスをミリ単位で調整して今の型に至りました。特にパンツと靴が調和するよう、くるぶしまでの丈にはこだわりましたね。時代の変化により微調整はあると思いますが、今後もシルエットを大きく変えることはないと思います。
生地に「ソロテックス」を採用した経緯は、どのようなものだったのでしょうか？
シーズンによってはナイロン・ポリウレタン素材のネイビー・オリーブを展開したこともありましたが、作り進めていくうちに「このコレクションは必ずユーザーに支持される」という確信を持つようになりました。そのため、素材もよりオリジナリティのあるものを使いたいという思いが強くなり、さまざまな生地を検討した中で、ハリやコシがあり、仕立てた時にも映える「ソロテックス」を採用するに至ったのです。
ユーザーからの反応はありましたか？
最初のリリースは 限られた数量だったのですが、発売から3日でほぼソールドアウトと、かなりの反響がありました。店頭で色違いやシルエット違いで試着されて、7本購入された方もいらっしゃったようです。
お客様やスタッフからは「汗をかいても洗濯してもすぐ乾くし、シルエットも崩れないのがいい」「コンシールファスナーのポケットがちょっとした収納に便利」「出張フライトの際にも楽に過ごすことができる」というような感想を頂いています。そういった実感もあって、リピートで購入して頂く方も多いようですね。
コーディネートサンプルとして、New Balanceのさまざまなモデルを合わせたビジュアルもありますね。
基本的にはどんなシューズでもマッチするのですが「ボリュームのあるシューズをワイドパンツに合わせる」などブランドからの提案をさせていただいています。シューズもパンツもNew Balanceらしいカラーなので、コーディネートした時のまとまりもいいと思います。また、ノベルティでWAIST TO TOEのロゴ入りソックスを数量限定でつけさせていただいているのですが、好評のためロゴソックスも販売予定です。
そして2019年FWシーズンよりWAIST TO TOEに合わせるためのトップスのコレクションもスタートしました。
こちらもWAIST TO TOE同様に、トップスを進化させたいという思いがあり、高い機能性のものにしたいと考えていました。さらに自分自身、これまで天然素材のカットソーやヘビーウェイトのコットンTシャツを愛用していたこともあり、ナチュラルな風合いでファッション的にも映える厚みのものを使いたかった。そこでTEIJIN FRONTIER（以下TEIJIN）さんとも交渉させていただき、ここだけのエクスクルーシブな「ソロテックス」を用意していただきました。
シンプルでありながら主張のあるデザインが、これまでのNew Balanceのイメージをいい意味で裏切ってくる感じですね。
ONでもOFFでも映える、都市生活者のためのタウンウェアを目指したので、New Balanceのもつアメリカ的なイメージは残しつつ、「東京らしさ」とは何かを探りながらデザインしました。
さらにこの秋冬からは「ソロテックス」を使ったジャケット5型もリリース。同素材で5型を展開するとは驚きです。
このプロジェクトのスタート当初からジャケットも作りたいという思いもあったのですが、ブランドのカラーを打ち出すためにもまずはボトムスのリリースからはじめました。その裏でジャケットの開発を進めて、満を持してこの春夏にデビューしたのが、オーセンティックなシングルジャケットです。都市生活者のためのウェアとして、シンプルなルックスでありながらラペルの立ち方やボタン、シルエットなど、ディテールにこだわってデザインされています。
2020のFW には、ダブルジャケット・コーチジャケット・ハリントンジャケット・ダブルショートコートを加えて、ジャケット5型の定番的な展開をスタートします。
パンツ5型を同素材で作るというのだけでも驚きなのに、ジャケット5型をさらに展開するというのは、冒険でありながらかなり面白い試み。それと同時に、これからのスタンダードにしたいというNew Balanceの意気込みも感じられます。
幅広いお客様に支持していただいているWAIST TO TOEに合わせるため、パンツ5型に加えてジャケットも5型展開することで、コーディネートの幅も広がり、結果的により多くのお客様に楽しんでいただけると考えました。
パンツ5型×ジャケット5型があれば、さまざまな組み合わせを試してみたくなりますね。それと同時に、自分らしいコーデを見つけることができるような気がします。
UNITED ARROWSにて2020年9月からパンツ5型×ジャケット5型の展開を始めますので、店頭でさまざまな組み合わせを試していただくことができるはずです。また、ABC-MARTの一部のグランドステージでは「ソロテックス」を採用したパンツ5型の販売を2020年8月から開始しています。
最後に、今後のWAIST TO TOEの展開についてお教えください。
今後はTEIJINさんとともにWAIST TO TOEのためにチューニングを加えた上質な「ソロテックス」を開発していくことで、より魅力的なアイテムを企画できればと思っています。たとえば「ソロテックス」と天然繊維の良さをミックスした素材感のアイテムなども作っていきたいですね。それと同時に、ナチュラルな素材感を追求しつつファッション的な要素も加えることで、女性にもアピールできるアイテムも充実させ、より多くの方々にWAIST TO TOEの世界観を楽しんでいただければと思っています。
