1979年にアイルランドのキルケニーにて創業し、現在はスイスを中心に展開しているグローバルなバッグブランド、BACH。同ブランドを母体としながら、ウェアを製作しているレーベルが、BACH GARMENTSだ。シンプルでありながら機能的で、アウトドアやトラベルのシーンで愛され続けるBACHのDNAを受け継ぎながら、タウンユースにもマッチするウェアで人気を博している。そんな同ブランドが、なぜ「ソロテックス」を採用するに至ったのか。企画を担当するバーリオの澤田篤宏氏に話を聞いた。
2017年、Journal Standardが20周年を迎えた際、一緒にウェアを作ったのがBACH GARMENTSのスタートです。BACHはバッグブランドなので、それをどうウェアに落とし込むのか。日本ではポケットが充実したトラベルシリーズが人気高かったので、まずはそこを狙いたいな、と考えて。
出張する際に、パッキングしてもシルエットが崩れないライトアウターがあればいいな、と常々思っていて。そんなアウターにマッチする素材を探していた際に「ソロテックス」を見つけたんです。さまざまな条件をTEIJIN FRONTIERさんに伝えたところ、思ったよりも早く理想とするものを見つけ出すことができましたね。
BACHはあくまでバッグブランドで、Journal Standardさんとの企画でスポット的にウェアを製作しました。しかし想像以上の好評価でこのまま継続した方が良いとなり。まさかここまで成長するとは思っていなかったですね。
インラインで定番として作っているアノラックをベースに、色やディテールをカスタムしたもので、これも「ソロテックス」を使用したパッカブル仕様。ポケットが充実していて、サイドジップで着脱しやすいのも特徴です。おかげさまでセールスが良く、このアノラックは2018年から続いており定番化してますね。この春はポイントカラーがホワイトになりました。
TEIJINさんの展示会において、「ソロテックス」を使用しているウェアとしてBACH GARMENTSのアノラックが展示されていたんです。それをagnes b.Japanの方が目に止めてくださったらしく、「ぜひコラボレーションしたい」とTEIJINさんを通じてお声掛けいただいて。本国メンバーも商品を大変気に入って頂き、日本のみならず、パリ本店含めたグローバルでの展開でスタートしました。
CVTはコンバーチブルの略で、旅先での「着回し・使い勝手」を想定し何通りも使えるジャケットです。ジャケット本体は「ソロテックス」を使用した素材で高密度で高級感あり、タッチ感、風合いがとても良いです。しかも小さくパッキングできて、シワになりにくいのが便利なんです。バッグにもなるフードは5色で、ボディとフードの色の組み合わせは販売するショップが選べるようになっています。
パーツを着脱することによってさまざまな状況に対応できるように作られています。別売りのカーディガンをライナーとして使用することも可能。ポケットのディテールはBACHの本流であるバッグと揃えているのもこだわりのポイントで、iPadや雑誌、ペットボトルなどを収納できる大容量のポケットも備えています。
これまでの合成繊維は、製品染めするのは難しいと言われていたんです。でもこの「Z-TECH by ソロテックス」は、特殊な技術を使うことによって「ソロテックス」のアイテムを製品段階で染めることができるだけでなく、表情豊かに仕上がってくるんです。この高級感のある雰囲気と美しい陰影は、ほかの合成繊維にも天然素材にもない、独特の魅力だと思いますね。しかも、天然繊維でもサンプル段階では指示した色の通りに上がってくるのは珍しいんですが、これはほとんどブレずに思い通りに仕上がってくる。これには驚きましたね。
BACH GARMENTSは旅をコンセプトにしたブランドです。その上では「ソロテックス」は欠かすことの出来ない存在ですね。本当に万能なので、色々と試したくなりますし「ソロテックス」の新たな可能性をこれからも一緒に見つけて行けたらと思っています。