SOLOTEXT

2020.03.09 Mon

Gramicciのパフォーマンスをさらに高める、ハイブリッドな「ソロテックス」

ロッククライマーであるマイク・グラハムが自身の経験に基づいたウェアを作るため、1982年にアメリカ・カリフォルニアで創業されたGramicci。足の動きをより自由にする股下のガゼットクロッチ、片手で調整することが可能なウェビングベルトなど、アイコンともいえるディテールでタウンシーンでも人気を博してきた。

そんな同ブランドが2019年よりスタートさせたパフォーマンスラインは、原点であるクライミングにいま一度スポットを当て、現代の技術を用いながら機能性を高めたウェアなどを展開している。

そこで採用されているのが、蓮の葉を模した撥水織物「レクタス」に、形態安定性に優れたストレッチ繊維「ソロテックス」をハイブリッドした生地だという。その理由とともに、2020年春夏の新作などについても話を聞いた。

 

Gramicci2019FWシーズンより開始した、パフォーマンスラインについてお聞かせください。

これまでGramicciは、ガゼットクロッチやウェビングベルトなどのディテール、シンプルでありながら洗練されたシルエット、ナチュラルな素材感などの特徴により、ロッククライミングのシーンのみならず、デイリーウェアとしても愛用されてきました。

そんな中、ブランド設立当時の自然と自由に対峙するクライマー達の持っていた空気感をコンセプトに、現代の機能的な素材を使いながらGramicciならではディテールを生かして作るアイテムが、パフォーマンスラインです。

 

F/CE®のディレクターとしても知られる山根敏史氏が監修されているのですね。

クライミングを始めとする本格的なアウトドアの現場はもちろん、都会のシーンにおいても魅力的なものにするために、モード的なニュアンスも得意としている山根氏と組ませていただきました。

 

そんなパフォーマンスラインで、「ソロテックス」が採用に至った理由をお教えください。

形態安定性やストレッチ性など「ソロテックス」の特徴として挙げられることの多いポイントはもちろん、コットンなど他の天然素材と調和しながら機能性が高めることができる点も、ブランドとして注目した上で採用させていただきました。また、発色が綺麗なのもいいですね。2020SSのさまざまなアイテムに使われているイエローの発色も、くすむことなく非常にビビッドに表現することができたと思います。

 

今回パフォーマンスラインで使用している「ソロテックス」は、従来以上に機能性の高いハイブリッドなものも使用しているとお聞きしたのですが、どのような機能がプラスされているのでしょうか?

蓮の葉構造を採用することにより生地表面に微細な凹凸の構造を作ることで、より撥水性を高めています。リースでの人気も高いため今回は紹介できませんでしたが、ベーシックなTシャツなども展開していますね。

こちらのレクタスビッグフラップジャケットは、ポケットのデザインが印象的です。

大きなフラップは、デザインとしてだけでなく開閉することにより体温調整も可能なベンチレーションになっているんです。さらにポケットへの水の侵入も防ぐ役割もあります。また、アームホールを大きく設定することにより、さまざまなアクティビティに対応しています。レーザーでパンチングした上で圧着されたディテールも印象的なものになっています。

このレクタスチャックワラショーツとパンツも、ポケットに特徴がありますね。

こちらはGramicciの定番中の定番である、腰回りにゆとりがありつつ裾にかけてテーパードしていくNNパンツの形を踏襲したものなのですが、大容量のポケットがシルエットをより特徴的なものにしています。特殊な織物構造と撥水加工を付与したハイブリッドな「ソロテックス」を採用することにより、水にも強いものとなっています。

レクタスドローストリングバッグは、スマホや財布などちょっとしたものを入れておくのに便利ですね。

クライミングの際、滑り止めを入れておくチョークバッグをモチーフにしています。着脱式のストラップが付属しており、サコッシュのように使用することが可能。ドローコードもデザインのポイントになっています。クライマーのようにカラビナを使ってパンツにぶら下げるスタイルも想定して、使い勝手が良く仕上がっていると思います。

Gramicciでは、セレクトショップが別注したパンツでも「ソロテックス」が採用されることも多く、人気を博しています。その理由をブランド側の視点から分析すると?

創業当初からブラッシュアップを重ねてきた、動きやすさと美しさを兼ね備えたシルエットに加えて、ガゼットクロッチとウェビングベルトというアイコン的なディテールの存在が大きいと思っています。それに加えて、URBAN RESEARCHでは撥水加工を施したもの、JOURNAL STANDARD relumeでは速乾性の高いものなど、「ソロテックス」を採用することにより、さまざまな機能性をプラスして展開しているのもポイントかもしれません。その他、SHIPSUNITED ALLOWS green label relaxingとともにリリースしたアイテムも人気となっています。どのセレクトショップさんもそれぞれのブランドを持っており研究熱心なため、協業することで非常に良い刺激を受けています。

 

今後、Gramicciとして「ソロテックス」を使用して作りたいアイテムがあればお教えください。

パフォーマンスラインとインラインの双方で、さまざまなGramicciの形を提示していきたいと思っているのですが、その際に「ソロテックス」は欠かせない素材だと思っています。

パフォーマンスラインでは、形態安定性やストレッチ性、加工により撥水性などを高めた高機能な「ソロテックス」を使うことにより、新しいGramicciの形を提示する。その一方で、80年代から続くオーセンティックなGramicciを求めるユーザーさんもいらっしゃるので、コットンなどの天然素材をミックスした「ソロテックス」を採用することで、天然素材のようなルックスは保ちながら機能性を高めたアイテムも作ってゆく。そのような形でGramicciを進化させていけたら、と考えています。

GRAMICCI OFFICIAL SITE