カリフォルニアのメロウな空気感をアイテムに反映し、伊勢丹やBARNEYS NEW YORKなどでも取り扱われるmelple(メイプル)や、ハワイのデザインをジャパンメイドの品質でアイテムに落とし込んだSALVAGE PUBLIC。
固定ファンも多いこの2つのブランドの立役者といえるのが、DELTA代表の小野寺武人氏だ。
さらにノルウェー発のプレミアムアウターブランドUBRやAIRWALKなど、普遍的な魅力を放つアイテムのインポートなども行なっており、目利きとしても知られる小野寺氏に、自身の関わる「ソロテックス」使いのアイテムについて語ってもらった。
仕事柄、常にさまざまな生地をチェックしているのですが、3年ぐらい前に生地屋で見て、ちょうどいいストレッチ感と軽さでありながら上品な質感だな、と思ってピックして使ったのが「ソロテックス」との出会いですね。
このダウンに使われている「ソロテックス」は、キメが細かく撥水性もあるため、ダウンに適しているなと思って採用しました。しかも程よくストレッチが効いているので、冬場でもストレスなく動きやすい。
表から見るとスッキリしたシルエットのシェルでありながら、内側にはシームレスで仕上げたロフトに750フィルのダウンが入っています。軽くてふんわり体を包み込むようなシルエットで、ポケットの他にハンドウォーマーもあるため、非常に使い勝手がよく仕上がっていると思います。
SALVAGE PUBLICは2014年からスタートしたブランドなのですが、ハワイのデザイナーのデザインを生産は主に日本で行うことで、リラックスした雰囲気とジャパンメイドの品質を両立させています。ハワイと日本を中心に商品展開しています。
この「ソロテックス」使いのハーフパンツは、ポケットの中はメッシュになっており、速乾性もあるので水陸両用で使えます。シンプルなルックスだけに素材感は重要なのですが、マットな質感で高級感漂う仕上がり。イージーな雰囲気でありながら、海辺のカフェなどでも品良く見えるのがいいですよね。
ここ最近の秋冬、Beginさん別注でソロテックス使いのセットアップを展開しているのですが、このチェックで3シーズン目。今年はBegin編集長・光木さんのアイデアで、マスクを加えて「新・スリーピース」として提案しています。
この生地は、ウール調の合成繊維「ソロテックス®フルフラン®」。カジュアルでありながらレトロな雰囲気も漂わせるオンブレチェックの柄をTEIJIN FRONTIERさんに発注しました。今までは無地だったのですが、今回はあえて遊んでみようかな、と(笑)
ジャケットはmelpleインラインで製作しているビーチテーラーというラペル広めのボックスシルエットのものがベースです。腰回りがゆったりしたジャスト丈のパンツは、トムキャットという形がベース。
そして今回はマスクも共布で製作しています。口に当たる面はメッシュ地に銀を練りこんだ抗菌仕様。スリーピースで着用すると、よりおしゃれに見えると思います。
セットでも単体でも、Beginのオンラインストア「Begin Market」で購入することができるので、是非チェックしてみてください。
ありがとうございます。自分自身もmalpleスタート当時に製作したアイテムを今も着用することも多いのですが、商談の時などに「それどこの?」なんて聞かれたりすると、本当に嬉しいですね。一過性のトレンドに寄せた商品もいいとは思うのですが、個人的には10年後も着たくなるようなものを製作しているつもりです。
そのためにはやっぱり信頼できる生地を、しっかりした仕事のできる工場で仕上げないといけない。melpleのアイテムのほとんどは、生地も縫製も日本製。全国の工場とお付き合いしながら、アイテム軸や素材軸で「カットソーはこの工場、デニムならこの工場」と決めて長く付き合うことで、工場の方もプライドを持って製作して頂けていると思っています。
僕自身、一見して化繊とわかるものよりは、温かみのある素材感が好きなので、「ソロテックス」とウールやコットンなどをミックスした素材や、「ソロテックス®フルフラン®」のようなさまざまな素材感のものがあればいいですよね。さらに見た目やフィーリングは損なうことなく、抗菌や接触冷感など、生地に付加される機能性をもっと高めることができればいいなと思います。ちょうどいいルックスと機能性のバランスが取れてこそ、長く愛せるアイテムになると思いますから。