SOLOTEXT

2021.12.24 Fri

nano・universe安藤大輔氏が語る、ECでも店頭でも強い”ブランド”としてユーザーに定着した「ソロテックス」

ほどよくモード感がありながら上品かつスタイリッシュなテイストで人気のブランド、nano・universe。

老舗寝具メーカーの西川とコラボレーションした「西川ダウン®」や、オンでもオフでも快適に使えるセットアップ「ダメリーノ」でも注目を集める同ブランド。実はこの看板商品とも言える「西川ダウン®」や「ダメリーノ」双方に「ソロテックス」が使われていることをご存知だろうか。

ブランドを代表するアイテムに「ソロテックス」を採用したのはなぜなのか。そして「更に『ソロテックス』の可能性を追求したい」アイテムとはどのようなものなのか。同社の企画・パターンマネージャーを務める、安藤大輔氏に話を聞いた。

 

nano・universeでは、さまざまなアイテムに「ソロテックス」を採用していますが、いつ頃から使われているのでしょうか。

2016年ごろにパンツを作ったのが最初だと思います。「ソロテックス」のことは帝人フロンティアさんの展示会で知ったのではないかと。nano・universeとして、ハイブリッドな素材に注目していた時期ですね。

その後、さまざまな商品に採用してきましたが、その中でも一般的なスーツへのアンチテーゼとして、オンでもオフでも着ることのできるような「ソロテックス」使いのスーツを作った時の反響は大きかったですね。

 

今回紹介して頂く「西川ダウン®」は、nano・universeの看板商品といっても良いかと思いますが、いつから「ソロテックス」を採用しているのでしょうか? また、今季の「西川ダウン®」のポイントをお教えください。

「西川ダウン®」は2012年にスタートして今年で9年目なのですが、「ソロテックス」を採用したのは2020年からです。デザインとしてはベーシックなものが多いので、冬でも動きやすくて快適な機能性を付加したいと思い採用させていただきました。今回使っている「ソロテックス」は、一見マットですが、少しだけ艶もあり、発色性にも優れているので、非常に上品な質感に仕上がっていると思います。

品質の良さは折り紙付きの「西川ダウン®」で、フィルパワーは700くらい。ほどよいボリューム感で軽く、袖口やジップなど体温調節もしやすい作りになっています。そしてこの品質ながら、ほとんどの商品が税込みでアンダー5万円。まさに日本の冬に「ちょうどいい」ダウンに仕上がっていると思います。

 

それでは、表地に「ソロテックス」を使用した「西川ダウン®」のラインナップについてご紹介をお願いします。

メンズは、アウトドアテイストでありながらスタイリッシュな仕上がり。表面のステッチを抑えたすっきりとしたシルエットで、 裏地にはポリウレタンコーティングを施しているため、防風性にも優れた仕様です。裾部分の内側には外気の侵入も防ぐスカートも装備。高級感漂うディテールにもこだわった自信作です。

「西川ダウン®フードネックウォーマー」は、シンプルなネックウォーマーとしてはもちろん、内側のフードを出すことで防寒性を高めつつ、首周りにアクセントを付けることもできます。「ソロテックス」ならではのしなやかな肌触りもいいですよね。携帯性も抜群なので、冬に屋外作業するときなどにフリース等と合わせたりすると、動きやすく体温調節もしやすいと思います。シャツやジャケットなどと組み合わせてコーディネートを楽しむのもいいですね。

レディースは、女性らしいAラインのシルエットでスポーティーかつモードな雰囲気も漂うデザイン。首周りを包み込むフードのシルエットや、袖口に施された長めのリブもポイントです。サイドファスナーやドローコードでさまざまなアレンジを楽しむことも可能。しなやかに伸びて上品な「ソロテックス」の質感が、シルエットにも生きていると思います。

さらにロングタイプのダウンもあり、オーバーサイズのすっきりとしたシルエットで、上品な落ち感を楽しめます。顔周りを暖かく保つスタンドカラーに、取外し可能なフードも装備。ロングコートながら、ストレッチの効いた「ソロテックス」で動きやすく、裾のジップを調節すればさらに歩きやすくなります。赤外線反射を生かし保温性に優れたウォームポケット仕様で、冬でも暖かく過ごすことができます。

 

セットアップの「ダメリーノ」シリーズも、nano・universeの看板商品と言ってもいいかと思います。

オン/オフ問わず着られるスーツを追求していった結果、ヒット商品へと成長させることができたのだと思います。タイトめなシルエットでありながら4WAY ストレッチが効いていて、皺にならずにイージーケアも可能。

さらに「ソロテックス」には素材のバリエーションがあるので、夏は清涼感のあるシアサッカーの「ソロテックス」、冬はウールのような素材感の「ソロテックス フルフラン」と、シーズンごとに適した素材を選ぶことができ、通年で商品を作ることができるのも非常に強みになっていると思います。

 

nano・universeの店頭だけでなく、ECにおいても「ソロテックス」を使用した商品は好調とお聞きしましたが、その理由はどこにあるとお考えですか?

「ソロテックス」は、例えば「コーデュラナイロン」などのように、素材のブランドとしてユーザーさんから認識されていて、信頼して買うことができるというのがポイントではないかと思います。さらに数多くの機能性を持っているので、ECにおいても打ち出しがしやすい。

数年前から「この商品に『ソロテックス』は使っていますか?」というような質問を頂くこともありまして、使用している場合には商品名や説明文の中に必ず記載するようにしています。

 

さらに今回は、超ヘビーウェイトのスウェット、Athleticシリーズも紹介して頂くとのこと。

表面にはアメリカンコットンを使いつつ、中糸や裏糸に「ソロテックス」を使用することで、重厚感のあるルックスとストレッチ性を両立しています。ヴィンテージな雰囲気と機能性を併せ持つ、まさにハイブリッドな素材。これまでの厚手のスウェットは、何年も着込むうちにリブがくたびれてしまうということがあったと思うのですが、そんな悩みも減るのではないかと思います。

クルーネックとモックネックのスウェットに、パーカー、カーディガンの4型。アメリカンコットンならではの味を楽しみながら、長く愛用して頂けると思います。

 

ジャケットにダウン、スウェットと、nano・universeではこれまで多くのアイテムに「ソロテックス」を採用されていますが、今後はさらにどのように使っていこうとお考えですか?

ソロテックスといえば、ジャケット&パンツやシャツなどに使用しているポリエステルの布帛のイメージが強いのではないかと思うのですが、他の糸とのブレンドがしやすいという点も、「ソロテックス」の利点ですよね。

そういった意味では、今回制作したAthleticシリーズのように、天然繊維とかけ合わせたもの、例えばコットンとミックスしたカットソーやウールと掛け合わせたニットなどにも、大きな可能性を感じています。

車に例えると、ヴィンテージカーのレプリカを作るようなことにはあまり興味がないんです。ヴィジュアルは一見ヴィンテージのようなデザインでも燃費性能が格段に良くてメンテナンスが楽、とかそういったモノを作りたい。

「ソロテックス」とさまざまな素材を掛け合わせながら、いろんなアイテムに落とし込んでいくことで、洋服を現代的にアップデートしてゆく。それが僕たちnano・universeの使命ではないかと考えています