SOLOTEXT

2023.10.30 Mon

あの「ゼロハリバートン」がゴルフ部門に進出した経緯と、多くのウェアに「ソロテックス」を採用した理由とは。

1938年、 アール・P・ハリバートン により創業され、過酷な環境下でも耐えうる堅牢さを追求したアルミニウム製スーツケースで人気ブランドとなったゼロハリバートン。

そのスーツケースは多くの映画にも登場し、アメリカ大統領やハリウッド俳優も愛用、アポロ11号が持ち帰った月の石から米国の機密情報まで守ってきた。そんな世界的ブランドが2022年3月にスタートさせたラインが、ゴルフに関するアイテムを展開する「ゼロハリバートン ゴルフコレクション」だ。

そして同コレクションでは、多くのウェアに「ソロテックス」が採用されているという。その理由について、エース株式会社 ライフスタイル事業部 ゴルフ事業担当 サブマネージャー 山本修史氏に話を聞いた。

 

「ゼロハリバートン ゴルフコレクション」をスタートさせた経緯についてお教えください。

母体となっているバッグブランド「ゼロハリバートン」は、ラグジュアリーなものを好むビジネスマンからの支持も厚く、ゴルフとの親和性も非常に高い。そんなブランドイメージを活かして、ライフスタイルの分野でも展開していきたいという思いが長年ありました。

そんな中、近年のゴルフ人気の高まりを機に、2022年3月に「ゼロハリバートン ゴルフコレクション」としてデビューすることとなりました。

 

デザインのコンセプトをお教えください。

スーツケース同様、極力装飾を排した、洗練された普遍的なデザインを目指しており、その基準は「名門クラブと呼ばれるゴルフ場にも着て行けるかどうか」というもの。ジャケットのシルエットからモックネックの高さまで、品格の高いデザインを心がけています。

その上で、スーツケースの補強のために施された「ダブルリブ」と呼ばれるプレス加工を模した二本線をアイコンとして、程よくトレンドも取り入れることで、タウンウェアとしてもご愛用頂けるデザインに仕上げています。

 

上品でシンプルなデザインでありながら、機能面でも非常にこだわっていますね。

機能性に優れた、快適で洗練されたルックスの「ソロテックス」に代表される素材を用いながら、随所に工夫を凝らすことで、プレイヤーファーストなウェアを実現しています。

さらにスタッフ全員かなりのゴルフ好きのため、「このポケットにフラップがあると、スイングの邪魔になる」とか「手もとや足もとにロゴマークがあると、アドレス時に気になってしまうかもしれない」など、ゴルファー視点でのデザインを心がけています。

 

「ソロテックス」を採用し始めたきっかけと、どのような点が魅力と感じたかをお教えください。

「ソロテックス」はシックで高見えする天然繊維のようなルックスでありながら、ゴルフには必須とも言えるストレッチ性を備えており、さらにさまざまな機能性を付加することができる。

ゴルフは意外と洋服が汚れるスポーツですし、白のウェアも多い。 イージーケアで自宅でも簡単に洗濯することができるというのも大きなポイントでしたね。

さらに帝人フロンティアさんは「ソロテックス」だけでなくさまざまな素材を開発されており、アパレルのノウハウも豊富。ブランド立ち上げの企画段階から全面的にご協力頂いております。

 

それでは「ソロテックス」を使用したアイテムをご紹介ください。

まずはこのジャケットとパンツのセットアップと、同素材のブルゾンやキャップを。セットで手に入れて頂くことにより、さまざまなコーディネートを楽しんで頂けると思います。

4ウェイストレッチで非常にいい色に仕上がっており、ジャケットは比較的細身でありながら動きやすいシルエットで、上品に着こなして頂けます。

パンツはスポーティーなジョガータイプ。ポケットはスコアカードが収まるサイズとなっており、すぐにスコアを書き込めるよう、フラップやファスナーはあえてつけていません。さらにリブ部分はプレー時のストレスにならないよう、程よく緩めにデザインしています。

 

立ち襟のブルゾンは、背中にロゴを配してトレンドを意識したデザインに。これでも派手すぎるんじゃないか、という意見があったんですが、3〜40代のお客様から好評を頂いています。

キャップ日除け部分のプラスティック芯材は一部をくり抜くことにより、軽量化を図っています。ベンチレーションも広範囲に施されているため、軽くて涼しく、気軽に洗えると非常に評判の良いアイテムですね。

 

こちらのモックネックTシャツは、「デルタSLX」のニット素材とのこと。

吸汗速乾性が高くスムースな肌触りで、程よい伸縮性と着圧感が好評です。この素材が非常に気に入られたらしく、何度もリピートして頂いているツアープロの方もいらっしゃいますね

ゼロハリバートンのアイコンとも言えるタブルリブを襟もとに表現しており、同素材のポロシャツもありますので、ぜひ一度ご試着頂ければと思います。

 

さらにこちらは、「デルタSLX」を使用したニットベストとプルオーバーです。

ホールガーメントで立体的に編まれており、動きやすいのはもちろんのこと、縫い目部分のストレスを感じさせないのがいいですね。しかも比較的厚手でありながら、 軽くて動きやすい。背中には編み込みでさりげなくブランドネームが表現された、高級感のある仕上がりとなっています。

 

「ゼロハリバートン ゴルフコレクション」では、キャディバッグも非常に人気です。バッグデザインでのこだわりをお教えください。

素材は「コーデュラ」に完全別注しており、オリジナルのカモフラージュ柄が一番人気ですね。「コーデュラ」はプリントが非常に難しい素材なのですが、発色にこだわって何度もサンプルを作り直すことにより、理想的な仕上がりとなりました。

開閉する頻度の高いポケットはマグネットポケットにし、素早く出し入れできるようにしており、容量の大きいサイドポケットは、レインウェア・ツアーカバー・シューズなど、できるだけ多くの荷物に対応できるよう、まち幅を広げています。

 

現在多くの製品に「ソロテックス」を使用されていますが、さらに「こんな機能性を付加したい」「こんな素材とミックスしたい」など、素材での開発要望はございますか?

ゴルフウェアは白いアイテムが多く、パンツなどは透けてしまうことがあります。「裏地なしでも透けにくい『ソロテックス』はできないか」と帝人フロンティアの担当の方に相談したところ、技術的には可能とのことで、開発を期待しているところです。

「ソロテックス」は高い機能性とバリエーションを持ち、さらに上質な質感を持った非常に優れた素材。

引き続き、魅力的な機能を備えた「ソロテックス」を、オンコースでもタウンでも使えるデザインに落とし込みながら、継続的に採用していきたいと考えています。