ソフトで滑らかな風合いのカシミヤセーターはクラス感を上げる大人アイテムですね。しかし、着用しているとどうしても汚れることは避けられないため、洗濯やお手入れが必要になってきます。
長く上質なカシミヤセーターを楽しむために、洗い方やお手入れ方法を知っておきましょう。
カシミヤセーターの洗い方
まずは、製品についている取扱い表示を確認しましょう。カシミヤ含む獣毛繊維は人間の髪の毛と同じようにウロコのようなスケールがあります。濡れた状態で揉んだり擦ったりするとスケール同士が絡まって生地が固く縮んでしまうフェルト現象(収縮)が起きます。残念ながら固く縮んでしまった製品はもとの状態には戻らないので、洗濯機の使用はNGです。
手洗い手順
取扱い表示が手洗いOKの場合の洗い方の手順をご紹介します。
- 洗面所や洗濯桶に30℃以下のぬるま湯に中性洗剤を表示に従ってよく溶かします。
- 裏返して畳んだセーターをゆっくりと両手で押して洗濯液に沈ませます。
- 手を放し、セーターが浮いてきたらもう一度ゆっくりと液中に沈ませる「押し洗い」5回程度おこないます。この時に揉んだり摩擦を起こしたりしないことに注意しましょう。
- 洗濯液を排水しセーターを軽く押して洗濯液を抜きます。
また洗濯液と同じ温度のぬるま湯を洗濯桶に注水します。 - 「押し洗い」3回程度のすすぎを2回繰り返します。まだ濁りがある場合はもう1回同条件ですすぎを行います。
- 最後のすすぎの時に柔軟剤を適量混ぜると繊維のコーティング効果でふんわり風合いの保持と静電気や毛玉防止になります。
- 排水して畳んだままのセーターを畳んだセーターに適正なサイズの洗濯ネットに入れて洗濯機で軽く(1-2分)脱水します。心配な場合はタオルではさんで水分をとる方法もありますが、摩擦と脱水のしすぎにはくれぐれも注意しましょう。
- 平干し用ネットに形を整えて広げ、直射日光をさけて風通しのよい場所で干します。
- 最後に中温の浮かしアイロンで形を整えます。出来ればその後洋服ブラシで毛並みを整えるとさらに光沢感が増します。
手洗いのポイントは、カシミヤは特に水が苦手なので、なるべく短時間で脱水まで済ませることと摩擦を避けることです。
カシミヤセーターの洗濯頻度
カシミヤセーターの洗濯頻度は頻繁に行うよりも、5回〜7回の着用ごとに洗濯することが一般的です。長く使用するためには、1シーズンに1〜2度程度の洗濯がおすすめです。カシミヤセーターは基本的に毎日洗う必要はなく、汗をかいたり汚れたりしていない場合は簡単なお手入れで済ませるようにしましょう。
カシミヤセーターの着用頻度
カシミヤセーターはデリケートで高級な素材ですので、頻繁に着用すると生地にかかるストレスが増え、寿命が短くなる可能性があります。
おすすめの着用頻度としては、週に1回程度、多くて週2回程度が良いでしょう。より長く使用するには、1日2日と連日着用するのではなく、一度着たら2〜3日着用しないことがおすすめです。
毎日着用するよりも適度な頻度で着用することを心がけましょう。
カシミヤセーターの日常のお手入れ方法
実は、カシミヤは非常に繊細なアイテムなので洗濯はできるだけしないことが長持ちの最大のコツなのです。洗濯の回数を減らすための日常のお手入れを紹介しましょう。
カシミヤに限らず獣毛製品の日常のケアの基本は3つです。
①着用したら内部の蒸れをしっかり抜いてからクローゼットへしまいましょう。
②2週間に1回程度でOKなのでブラッシングケアを習慣にしましょう。洋服ブラシの効果は、洋服につく虫のエサになるホコリ汚れをとって虫害を予防すること着用時の摩擦で起きる繊維の絡まりをほぐし
流れを整えて毛玉を防止し光沢や風合いをキープすることです。
③1回着用したら3日は休ませましょう。休ませることで蒸れからくる水分を完全に抜くことと着用時の摩擦による繊維のダメージを回復させるためにローテーションを組んで時間を与えてあげましょう。
カシミヤセーターの保管方法
カシミヤは一度手入れ方法に失敗して固くなってしまうと元に戻すことはできません。より綺麗な状態で長く着用できるよう日頃の保管方法にも注意が必要です。ここでは適切なカシミヤセーターの保管方法をご紹介します。
湿気を避け防虫剤を必ず置く
カシミヤは湿気や虫に弱い素材です。保管する場所は湿気の少ない場所を選び、通気性のある布製の袋やクリアな衣類ケースを使用することで、湿気やカビの発生を防ぎます。また、虫干し剤やカモミール袋などを使用して虫の被害を予防しましょう。防虫剤を置く際は、必ず洋服の上に置いてください。注意点として、防虫剤は1種類のみを使用するようにしましょう。複数の種類を併せて使うと化学反応を起こして薬剤が染み出し、シミの原因となってしまう可能性があります。
形を整えて綺麗に保管する
カシミヤセーターは形状が崩れやすいため、保管前に形を整えてからしまうことが大切です。ハンガーにかける場合は、肩からかけるようにして形を崩さないようにしましょう。畳む場合は、他の洋服や重さのあるアイテムに圧迫されないよう注意してください。
まとめ:正しいお手入れ方法で、カシミヤセーターを楽しもう
一般的なケアはこれで十分ですが、食べこぼしやシミなどを発見した場合は、信頼できるクリーニング店に早めに相談しましょう。少し面倒の多いカシミヤセーターですが、だからこそちゃんとお手入れされているカシミヤセーターを日常に着こなす人は、たしなみのある大人として素敵に見えるのです。慣れてしまえば意外と簡単です。この手間もカシミヤセーターの醍醐味として大人のクラス感を楽しみましょう。