SOLOTEXT

2022.04.05 Tue

EDIFICE 大瀧北斗氏が語る「次のフェーズに入ってきた『ソロテックス』」と、NEW BALANCEとFRED PERRYに別注した新作。

これまでGramicciに別注をかけたパンツやMarzotto with SOLOTEXなど、さまざまな形で「ソロテックス」を採用してきたEDIFICE。2022年の春夏には、NEW BALANCEとFRED PERRYという「間違いない」ブランドの別注アイテムにも「ソロテックス」を採用している。

 

今回はそれらのアイテムの紹介に加えて、「次のフェーズへ入ってきている」という「ソロテックス」をめぐる状況について、バイヤーの大瀧北斗氏に話を聞いた。

 

EDIFICEではこれまでもさまざまな形で「ソロテックス」を採用されており、本コンテンツでも何度も取り上げさせて頂いています。採用し始めた当初と比較して、「ソロテックス」の社内外の評判や、商品への取り入れ方などに変化はありますか?

 

以前は「このジャケットにはストレッチ性を加えたいから『ソロテックス』を使ってみようか」というように、それなりに意識して選ぶ存在だったのですが、ここ最近ではコットンやポリエステルを使うように、自然と選択肢に入ってくる素材となってきていますね。それと同時に、お客様の知名度もかなり上がってきているのを感じています。

 

これまでの「ソロテックス」の使い方を振り返ってみると、Gramicci別注ではパンツにストレッチ性能を加えるという王道とも言える使い方をしている一方で、イタリアの名門ブランドであるMarzottoが上質なウールに「ソロテックス」をミックスした生地を使用したりと、かなり幅広い使われ方をされていますよね。

 

「ソロテックス」の入り口としては、やはりストレッチ性能が高く皺になりにくい布帛としての使い方だったと思います。それ以降、ジャージ素材に使ったり、ニットを支える糸として使用したりとさまざまな形で使い続ける中で「こんなに使えるんだ」「ここまで行けるんだ」という思いを強くしていきましたね。ここまで多様な使い方ができる素材というのは、「ソロテックス」が初めてのように感じています。

 

今回紹介するFRED PERRYの生地は、大瀧さんご自身が「『ソロテックス』を使ってこんな生地を作れないか」と提案されたものだそうですね。

 

これまでFRED PERRY別注ではさまざまなものを企画してきましたが、形としてはちょっとやり尽くしたかな、という感があって。そこでオリジナルの生地を作れないかと考えて、立体的な畝と上品な質感が特徴のカルゼ生地をを作ることはできないかと相談させて頂いたんです。開発にあたっては、FRED PERRY・TEIJIN FRONTIER・EDIFICEの3社が合同で進めていきました。

 

その企画が見事にヒットして、今回で3シーズン目とのこと。しかも、生地は毎年改良が加えられているとのことです。

 

スタートした2020年はハリ感のあるTシャツなどがトレンドの時期だったので、少し厚手に作っていたんです。今年はしっとりした生地感が気分かな、ということで、薄手で柔らかに仕上げています。開発の方に「こんなものは作れますか?」という思いをぶつけた上で、調整を加えていきましたね。

 

襟や裾の編み立ても、高級感があって素敵ですね。

 

ニットポロをイメージしたかっちりした作りでありながら、日本の気候にも合うサラッとした仕上がりになっていると思います。さらに襟元のバイカラーが特徴のTシャツも用意しており、それぞれトレンドのダークカラーも意識した5色展開。上品な艶感で、まさに大人のカジュアルコーディネートに使えるアイテムではないかと思います。

 

そして、NEW BALANCEのアパレルライン「MET24」では、EDIFICEらしいネイビーカラーを別注。こちらでも、「ソロテックス」が使用されています。

 

アウター5型×パンツ5型を組み合わせて選ぶことのできるというコンセプトの「MET24」のテーラードライン。「ソロテックス」使いの美しい質感で、動きやすく皺になりづらいのも魅力です。2021年の秋冬からEDIFICEでも取り扱いを始めており、2022春夏シーズンにはこの色別注を行いました。おかげさまでかなり好調な売上となっています。

 

ネイビーの色合いも、非常に素敵ですね。どのような組み合わせで買われる方が多いのですか?

 

NEW BALANCEらしいグレーと、EDIFICEらしいネイビーを混ぜ合わせたようなニュアンスのある色に仕上がりました。ビジネスを意識して買われている方は、シングルジャケットとスリムテーパードの組み合わせで購入される事が多いですね。さらにコーチジャケットとワイドフィットというストリート感のある組み合わせも人気があります。「MET24」には、NEW BALANCEの靴を最も美しく見せるというコンセプトもあるので、店頭やwebではおすすめのシューズを組み合わせて提案しています。

 

EDIFICEではさまざまなアイテムに「ソロテックス」を採用していますが、今後こんな「ソロテックス」が開発されればいいな、という希望などはありますか?

 

ヴィーガンレザーやフェイクレザーなどに使われるといいのではと思いますね。現状ポピュラーなものは、ポリウレタンが入っているため劣化の心配があるので、その欠点を劣化しづらい「ソロテックス」で補えればいいですよね。今後はリアルレザーが使いにくくなってくる可能性も高いですし、肉厚で高級感のあるものを作ることができれば、大きな需要があると思います。

「ソロテックス」のすごいところは「手で触れて、実際着てみて、使いこんで良さが実感できる」という点だと思うんです。それと同時に、リーズナブルなアイテムから、高級素材と最新の技術を組み合わせたハイレンジなものまで、幅広く使うことができるというのもいいですよね。

今後さらに生活に密着した、なくてはならないものになりうるポテンシャルを秘めていると思うので、引き続き「ソロテックス」には期待しています。